“挑”
by 安部優人(法・早稲田高等学校)

人生で初めてブログを書かせていただきます。何を書けばいいか迷いましたが、最強と呼ばれたこの世代の中で、唯一の初心者として過ごした激動の4年間を振り返ってみようと思います。

1年生

入学後、漠然とゴルフがしたいという思いで体験入部に行きましたが、ここで最初のミスを犯しました。担げないほど重いキャディバッグを持って現れた初心者。この時点で「難あり」認定です。同期が多い分、ミスも多く、先輩方からは何度もお叱りを受けました。下石神井公園にはもう行きたくないです。ゴルフが全くできない中、初ラウンドでは恐らく史上初となる歩き方の指導を受けました。後にも先にも、そんな1年生は見たことがありません。

そして因縁のロイヤルメドウです。このゴルフ場に良い思い出は殆どありません。最もきつかったのは、5日間で180ホールを回る夏合宿です。しかし、自分は足の怪我によりわずか4ホールで帰宅しました。消化率2%、過去最速の離脱です。みんな自分が辞めたと思ったそうですが、原因は先天的に半月板が大きく炎症を起こしていたことでした。MRIまで撮って大怪我を覚悟したのに、「ただ半月板がデカいだけ」と判明した時の恥ずかしさは忘れられません。

それでも年内に100を切り、意気込んで臨んだ春合宿。またロイメの1番Hで、別々のクラブ(D、D、4U、5I)で監督の前で4発OBを打ち、そのあとラウンド中に泣きました。田原さん、あの時は本当にごめんなさい。この場を借りて謝罪させていただきます。書ききれない事件は山ほどありますが、自分の名誉のために1年生の振り返りはここまでにさせていただきます。

2年生

この機に城さんや田原さんの近所に引越したことが、大きなターニングポイントでした。ゴルフ場が近くなり、ラウンド量が増えたことで急成長し、1年半でフルバックからベスト81まで伸ばすことができました。ただ、「安部の伝統芸」と呼ばれるチョロだけは治りません。こちらは本気ですので、あまり舐めないでほしいです。ここまで上達できたのは、間違いなく力と佳吾のおかげです。自分の練習もある中で、質問すれば真剣に答え、ドリルや道筋まで示してくれる最高のコーチたちです。いつもありがとう。

城さんたちがトップのこの代は、これまでで最も熱い世代でした。学年関係なく鼓舞し合い、20分間のサーキットや朝5時からのランニングなど伝説は尽きませんが、何よりリーダーとしての城さんの背中は偉大でした。近所ゆえにいつも助手席に乗っていましたが、車内の99%はお叱りの時間。今でも99.9%は怒られていますが、それも愛の鞭だと感じています。

ある日のラウンド帰り、城さんから唐突に「安部の部活における存在価値ってなに」と問われ、答えに詰まりました。正直、当時の自分はいてもいなくても変わらない存在でした。なにもできていなかったこと、それに自分で気づけなかったことがただただ悔しかったです。そこから「自分にしかできないこと」を模索し始め、必死に「最強の同期の一員」として恥じない人間になろうと決意しました。

3年生

3年になってすぐ、サザンヤード1Hで史上最低飛距離事件が発生しました(原因は食べすぎ?だと思いたいです)。真剣なのに笑われ、人生で一番笑われた経験です。

そんなことはさておき、新しくクラファンを企画、プレゼンを行うも承認を得られず、ゴルフ以外で一番悔しい経験となりました。しかし、これが渉外を作るきっかけとなり、失敗から多くの学びを得ました。そこからは、多くの大人と会い、「このチームを応援してもらうには」を考え、渉外と広報を大きく方向転換させました。最高のパフォーマンスを発揮してくれた後輩たちには感謝しかありません。また、6月の悲願の全国優勝は、本当に痺れ、自分事のように嬉しかったです。

肝心のゴルフも転機を迎え、「会長杯出場」を目標にマネジメントを見直し、8月にベスト76を記録しました。10月の月例で人生初の予選通過を果たし、目標を達成することができました。

4年生

就活を終え、今年の目標を「パブ戦全国出場」に定めました。とにかくラウンドに行きショートゲームを磨いて関東大会までは進みましたが、初日84と叩いてしまい、二日目に76で巻き返すも4打及ばず予選落ちとなりました。この4年間で、今年だけ目標を達成できませんでした。本当に悔しかったです。だからこそ、引退してもまだ「ゴルフが上手くなりたい」と強く思い続けるのかもしれません。

部活面では最上級生として組織運営の難しさを痛感し、反省の多い1年でした。それでも、全国大学の試合を生で見て勝負の残酷さを知り、同期の姿に心を燃やされ、早稲田カップなどの企画を通じて自分なりの存在価値を見出せたと思います。ゴルフはもう少し上手くなりたかったですが、この4年間に悔いはありません。全ての時間が宝物であり、人生の糧です。こんな下手くそを温かく育ててくださった監督、コーチ、先輩方、同期、そして後輩たちに感謝しかありません。本当にありがとうございました。

<堀田さん>
1年のがきんちょの頃から、どんな相談にも乗ってくれた最強の姉御です。頼れる人がおらず心細かった時、いつも精神的支柱として救ってくださいました。これからもずっとお世話になります。

<城さん・田原さん>
「後ろを見る」という概念がないお二人に挟まれ、引っ張ってもらったおかげで今の自分がいます。まだひよこ未満ですが、これからも厳しくお願いいたします。一生頭が上がりません。

<家族へ>
『やりたい』を信じ、惜しみなく投資してくれた両親には感謝しかありません。家ではまだ問題児扱いですが、アスリートである母の背中を追いかけ、ゴルフも社会人生活も全力で走り抜きます。二人が見せてくれた広い世界に感謝し、少しずつ親孝行していきます。本当にいつもありがとう。

<同期へ>
後輩から『変わってる』と言われるほど個性的でバラバラな自分たちでしたが、だからこそ互いを補い合える宇宙一の同期でした。自分のミスを笑い飛ばしつつ、最後は真剣に向き合ってくれます。決して見放さない彼らの優しさと強さに、この4年間ずっと救われてきました。個々人に対してはケアンズで!

<これからの入部を希望する人たちへ>
早稲田は、技術だけでなく『自分の価値を見出す力』を学べる最高の場所です。4年間で胸を張って『やりきった』と言えるものが欲しいなら、ここが日本一成長できる場所だと思います。心から待っています。

次回3人目は、安保卓哉(商・早稲田実業学校高等部)です。